インタビュー

2023.05.12

設計未経験からプレイングマネージャーに。女性と私自身がキャリアを諦めないために今できること。

約800名の社員が在籍するオープンハウス・アーキテクト。男性社会のイメージが強い建築業界ですが、オープンハウス・アーキテクトでは各事業部で女性メンバーがその力を発揮しています。

今回は、設計経験ゼロからマネージャーに成長した女性社員、藤谷さんに話を聞いてきました。現在は、名古屋事業部 設計グループの課長として活躍する藤谷さんですが、入社はオープンハウス・アーキテクトが名古屋エリアに進出したばかりというタイミングでした。

藤谷さんや事業部のメンバーが、どのように基盤を作ってきたのか、女性管理職としての働き方や苦悩はあったのか、現在のやりがいや今後の目指す姿などにも迫っていきます。

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出演者紹介

  • 名古屋事業部 設計 課長

    藤谷 美里

    前職は建築会社で4年間施工管理業務を担当。設計の仕事に挑戦したいと2017年にオープンハウス・アーキテクトへ入社。持ち前の前向きさと粘り強さで、設計未経験からプレイングマネージャーへと成長。現在は名古屋事業部 設計グループの課長として、約4-5名のメンバーをまとめている。

振り返ると、名古屋事業部の立ち上げは、本当に手探り状態でのスタートでした

──はじめに、オープンハウス・アーキテクトの名古屋事業部について教えてください。

藤谷:名古屋事業部では、木造戸建住宅やRCマンションの施工を担っています。部署は営業・施工管理・設計に分かれ、事業部全体で60名ほどになります。現在は大きな組織になりつつありますが、名古屋事業部が立ち上がった当初は、営業や監督を含めても15名。設計部署は私ともう1名のみでした。

──最初は小規模での立ち上げだったんですね。事業部の基盤づくりに苦労されたんじゃないですか?

藤谷:そうですね。基盤をつくるためにはルールが必要ですが、当時の設計部は2人とも20代だったので、それを決めるには知識も経験も浅くて。木造建築自体も未経験だったので、わからないことが次から次へと出てくるんですよね(笑)。

ときには、わからないところを現場や監督に直接聞きに行ったり、当時の注文住宅の管理職だった大塚さん(現在の関西事業部長)に相談したり…。毎日必死で大変ではありましたが、いろんな人が手を差し伸べてくれたので、苦には感じませんでした。

また、設計業務も事務業務も自分たちでやってきたので、「これから入社する人に、どうすればわかりやすく引き継げるか」といったことも、自分たちのミッションとして目標を抱きながら、前進していたように思います。

──今後の目標やビジョンはありますか?

藤谷:目標は大きく2つあります。1つめは、注文住宅も担当できるようになること。現在、設計部署は建売住宅のみを担当しているのですが、今後は建売住宅を進めながら注文住宅もできる人材になろうと育成を行っています。

2つめは、設計が営業にも出ていけるようになること。現在はありがたいことに物件数が多く、図面作成は協力設計事務所さんに協力していただきながら進めています。仕事の効率やスピードを上げていき、設計がもっと上流工程に出ていけるようになることが今後の課題です。

またオープンハウスグループからの受注だけでなく、グループ外の受注も増えています。そちらの仕組みも確立させていきたいと考えています。

マネージャーとして組織をもっとよくするための提案を重ねる日々。その数は年間100以上に及びます

──マネージャーになった経緯や当時の記憶に残っていることを教えてください。

藤谷:2017年に一般社員として入社しました。「設計がしてみたい」という想いで入社したので、その時はまだマネジメントに興味はありませんでした。当時はとにかく設計ができることが嬉しくて、名古屋市内で担当できる案件が増えることや、竣工した物件を見ることにやりがいを感じていましたね。

マネージャーに昇格したのは、入社から1年半後。設計や現場の仕事が好きなので、プレイヤーとして担当する数が減ってしまうことは残念でしたが、業務課題の改善や効率化は、性に合っていておもしろかったですし、課員の図面チェックやスキルアップ、育成に携わるうちに、マネージャーとしてのやりがいも徐々に見出せるようになっていきました。

ずっと一緒にやってきた大塚さんが設計部のトップになり、発言しやすい環境づくりを行ってくれたことも気持ちが好転した大きな要因の一つでした。自分らしい提案ができるようになり、どう動くかが見えてくるようになると自然と結果もついてきました。プレイヤー時代には体感できなかった喜びを味わえています。

──マネージャーとして、組織づくりにおいてどのような提案を行い、結果的にどんな成果が出ましたか?

藤谷:設計の仕様をはじめ、業務の効率化など本当にさまざまなことを提案しましたね。部署の配置やチーム編成など、目に見えない細かい内容や動きまで改善したいことすべて提案していましたね。

提案数はざっと年間100以上。大塚さんを見つければ提案していたと言っても過言ではないかもしれません(笑)。業務を効率化したことによって、部署全体で担当できる案件が増えました。以前は月5~6棟だったところ、月10棟と倍程度になりました。

個人的には案件をこなす中で、時間短縮できる業務のコツなども身に付けました。そういった仕事のワザを共有するようになって、メンバーとも信頼関係がより深くなったような気がしています。

女性の細やかな気づきやマルチタスクができる器用さは、建築の仕事をする上ですごく強みになるんです

──業界的に女性社員や女性マネージャーはまだ少ないイメージですが、オープンハウス・アーキテクトでは実際どうですか?

藤谷:どんどん新しいことに取り組んでいる当社ですが、それでもまだ女性マネージャーの割合は少ないです。だけど、そのうちすごく増えていくと思いますよ!

と言うのも、直近の新卒社員は女性が45%を占めていますし、キャリア入社の女性メンバーも増えています。実際に名古屋事業部では設計部署の半分が女性です。

どうしても男性が多いイメージがある業界ですが、女性の細やかな気づきやマルチタスクができる器用さは、建築の仕事をする上ですごく強みになると感じます。だからこそ、もっと女性社員が増えてほしいですね。そのために、今私ができることに精一杯努めたいと考えています。

──女性活躍を推進する会社で、藤谷さんの今後の目標を教えてください。

藤谷:女性はどうしても、結婚や出産などのライフイベントの影響を受けがちで、キャリアを諦めてしまう人も多いですよね。そのことを当たり前とせず、産休から戻ってきた社員が働きやすい環境になれば、今よりも管理職を目指す女性も増えるのではないかと思っています。

そのために私が今できることは「こういう働き方をしてもいいんだ!」と思ってもらえるような働き方を実現していくこと。プライベートよりも仕事を優先して考えてしまう傾向にありますが、自分の時間を犠牲にしなくても仕事がしやすい環境があることが一番。だからこそ、定時で帰るようにするなど、地道ですが私生活も大切にできる働き方を示すようにしています。

私自身も昨年入籍しました。夫が海外赴任中なので、将来的には私も一緒に海外に行く可能性もあるかもしれない。そんな状況でもキャリアを諦めずに済む制度も作りたいと思い、会社に相談しています。

個人の意見に耳を傾け、前例がないことでも前向きに一緒に考えてくれるところがオープンハウス・アーキテクトのいいところだと思っています。性別問わず皆が私生活を大切にしながら働いていける環境を作っていくことが目標です。

──最後に、藤谷さん自身のキャリアの目標を教えてください。

藤谷:33歳くらいまではもっと現場の仕事がしたい、という想いもありますが、マネージャーとして次は私自身が大塚さんの役割を担う番だと思っています。ですから、私が大塚さんに感じていたように、部下にとって「相談しやすいプレイングマネージャー」を目指したいと思っています。

※インタビューの内容は取材時(2023年3月)のものです。