SPECIAL

建築のデジタル化を担う社員たち

オープンハウス・アーキテクトでは、自社開発システムで、業務効率化を図っています。
基盤システムの「KIZUNA-X」、木造建築で活用されている新見積もり作成システム「TOP」、
自社初のアプリ「Architect Jump」。
導入前と後で、業務がどう変化したのか。
業界の未来を見据え、今後どうなっていくのか。
さまざまな部署の目線から、「DXのいま」について語ってもらいました。

CAST

出演者紹介

  • DX推進部 次長職 / 2019年入社

    二井谷 豊 Yutaka Niitani

    コンサル業界のIT職からOHAへ転職。建築に革新を起こすために、社内DX化を推進。現場の声を最重要視しており、システムローンチ前は必ず全ての施工拠点に足を運んでいる。

  • 営業部 店長 / 2016年入社

    山本 薫 Kaoru Yamamoto

    大手ハウスメーカーから転職。営業未経験だったが、前職の経験を活かし当時の最年少店長となる。現在は柏店で店長を務める。

  • 工事本部 主任職 / 新卒2019年入社

    髙見 敦士 Atsushi Takami

    1年半の現場監督を経験後、現在は工事本部で生産管理担当として現場を管理。

1.建築業界のDXの実態とは。

※D X:デジタルトランスフォーメーションの略。会社の成長、競争力強化のためにデジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルを創出・柔軟に改変すること。

山本さん

前職はハウスメーカーに勤めていました。他の業界はあまり詳しくないので比較はできないけど、OHAはデジタル化が高速で進んでいるなという印象です。DXのプロ、二井谷さんからみた建築業界はいかがでしょうか。

二井谷さん

プロは言い過ぎ(笑)。でも、IT業界出身の目線で言うと、大手ゼネコンと中小企業の取り組みの差は激しいと感じるかな。

髙見さん

賃貸事業やマンション売買事業をやっている会社はデジタル化が進んでいますよね?

二井谷さん

そうだね、不動産業界だとそうかもしれないね。ただ、戸建住宅の場合は土地やお客様の要望によって建物の仕様が変わる。マンションや商業施設と比べると個別性が高いので、デジタル化しにくいと言う背景があるのかもしれないね。

髙見さん

デジタル化の難易度やコストを考えると、(建物の)規模によっては、人がやる方が早かったりしますもんね。あと、大手ゼネコンは受注規模も大きいからデジタル化が進めやすい。

山本さん

建築業界はデータよりも経験則に基づいて進められることも多いから、そこも遅れている要因になっているのかも。

二井谷さん

二人ともいい視点!山本さんが言ってくれた、経験則に基づいてしまうと、経験が浅い人の活躍の範囲や、可能性が限られてしまうよね。オープンハウス・アーキテクトでは、あらゆる情報をデジタル化することで、データに基づいた施策づくりや行動に繋げていけるようにしたいと考えているんだ。

2.経験値ではなく、データに基づき自社開発された「TOP」

※TOP:木造住宅の見積もり作成システム。積算の専門知識がなくても建築の見積もりを短時間で作れる画期的なシステム。

山本さん

それで「TOP」が開発されたんでしょうか?「TOP」がリリースされて、営業として、店長として本当にありがたいです!

二井谷さん

そうだね。そもそも物件ごとに見積もり作成するのにかなり時間がかかるでしょう?リリースされて半年経つけど、使い勝手はどう?

山本さん

控えめに言って…最高です(笑)。

髙見さん

時間短縮された分、営業活動やメンバー育成に注力できるようになったのかなと思いますよね。

山本さん

そうだね、デジタル化によって生産性が上がって時間が生まれたこと!これは大きなメリットだね。

髙見さん

おお〜!

山本さん

他にも2つポイントがあって。1つは、見積もりのミスが減ったこと。経験値によって見積もり金額に違いが出てしまったり、本来必要な工事項目が漏れていたり…、最終的に利益を圧迫してしまうことがたまにあった。「TOP」のおかげで見積もりの漏れがなくなったのは、会社としても非常に大きな進化だと思う。

髙見さん

なるほど。もう一つは何ですか?

山本さん

私たちのお客様にあたる不動産開発会社は、土地を仕入れるよね。仕入れるためには、どんな家がいくらで建てられるかも算出しないといけない。オープンハウス・アーキテクトの見積もり算出が遅いと、別の不動産開発会社が先に仕入れてしまう可能性がある。

髙見さん

不動産開発会社の仕入れにも関わるんですね!仕入れができなかったらオープンハウス・アーキテクトで家を建てることも出来なくなりますね。でも、時間もかかって複雑だった見積もりをどうやってデジタル化したんですか?

二井谷さん

使う商材や工事について協力会社さんと価格の取り決めをしているんだけど、価格や条件が年々変化するので、その変化に都度迅速に対応できるロジックを設計して、柔軟に対応できるようにしている。システム設計の難易度が高くて、久々に燃えたね(笑)。

3.日々進化する、業務基幹システム「KIZUNA -X」。

※KIZUNA-X: 工事情報の管理から、発注業務・工程管理、引き渡しに至るまでの幅広い領域に対応するシステム

山本さん

二井谷さん、システムのリリース前に全ての拠点を回って要望を聞いていますよね?その時に伝えた要望が、リリース時には全て反映されていてすごく驚きました。

二井谷さん

システムは現場とフィットするかが最重要だからね。現場の声を聞いて改善していかないと作った意味がなくなってしまう。

髙見さん

私は普段から「KIZUNA-X」を使用していますが、工程の内容も自社に合っているし、めちゃくちゃ使いやすいです。自社開発だからこそのフィット感があります。

山本さん

「TOP」とも連携したから、ゼロから資料を作る必要もない。工事の進捗やタスクが自動更新されるから、関係者全員に同じタイミングで平等に情報が行き渡っているのはありがたいですね。

二井谷さん

元々物件情報をエクセルで管理していたものをデータベース化したことで、これまで営業と監督、設計と監督といった個人間でのやりとりが無くなったね。

山本さん

属人的にならずに、欲しい情報が欲しい時に手に入るし、欲しい情報に辿り着くまでの時間が短縮されて、ストレスが減りました。ペーパーレス化も進みましたね。事務所にあった分厚いファイルたちが一気に無くなりました(笑)。

髙見さん

去年はスマホ・タブレットに特化した「Architect Jump」(※)と言うアプリも開発されました。現場の帰りに事務所に戻らずに、タブレットから作業できるようになったので、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)も向上しました。

4.更なる革新のために、必要なこととは?

二井谷さん

せっかく集まったから聞いてみたいのだけど、今後DXを通じてどんなことを実現したいと思う?

山本さん

そうですね… この業界って伝言作業の連続なんです。お客様と営業が打ち合わせをして、設計やインテリアコーディネーターへ引き継ぐ。そこから現場監督、大工さんや協力会社さんへ依頼していく流れになる。データで情報共有はできるけども、お客様がどんな方なのか、どんな想いで家を建てようとしているか、想いは伝わりきらないこともあると思います。そういった部分の熱量を下げずに届けられるような仕組みを作りたいですね。

髙見さん

店長ならではの視点ですね。そういった仕組みができたら、お客様の満足度もより高まりそうです。

山本さん

DXのプロ、二井谷さんはどう考えていらっしゃいますか?

二井谷さん

だからプロは言い過ぎ(笑)。うーん、たくさんあるんだけど、ゆくゆくはAIを導入したいと考えているよ。例えば、このお客様にはこんな家やオプションがマッチしているな、という傾向がわかるようになれば、経営判断にも寄与できるじゃないかな。あとは更なるペーパレス化を進めたいね。

山本さん

そのためには現場で働く私たちももっとDXツールの活用スキルを身につけていかないといけないなぁ。

髙見さん

その問題さえもDXで解決しましょう(笑)。