対談

2024.05.17

品質管理部の課長対談!マイナスをゼロにするだけでなく、ゼロをプラスに変える「攻め」の品質向上とは。

オープンハウス・アーキテクトでは、総合建築企業として、「誠実品質」をテーマに全社をあげて品質向上に取り組んでいます。2023年10月に発足した品質管理部では、お客様に心からご満足いただける品質を提供するため、品質管理部メンバーによるダブルチェック体制を徹底し、パートナーの皆様の安全・品質意識向上に取り組んでいます。今回は、品質管理部を牽引する大類課長と伊藤課長にお話を伺いました。

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出演者紹介

  • 品質管理部 課長

    大類 義和

    2018年キャリア採用入社。大手総合住宅メーカーで培った、様々な工事やマネジメントに関する知見を豊富に有し、現在は品質管理部の課長を務める。

  • 品質管理部 課長

    伊藤 和夫

    2019年キャリア採用入社。木造建築の施工管理経験が豊富で、お客様目線の検査を得意とする。パートナー様への品質意識強化にむけて「安全品質協議会」を企画・運営する。

年間約5,500棟の品質向上に、第三者目線で向き合い続ける専門部隊として

──役員直下の専門部隊である「品質管理部」について教えてください。

大類:オープンハウス・アーキテクトでは年間約5,500棟規模で木造建築を建てています。私たち品質管理部は、その全ての木造建築物の品質向上に責任を持ち、第三者検査やパートナー育成といった業務を担うために、2023年10月に発足しました。

伊藤:部の目的は、一言で言えば、「お客様に心からご満足いただく品質を提供すること」。そのために日々、課題に向き合っています。現在メンバーは12名で、建築経験豊富なベテランや新卒社員の若手メンバーで構成されています。

──「品質管理部」では主にどのような活動を行っているのでしょうか。

大類:主な活動としては、関東・名古屋・関西の全エリアにおいて、第三者チェックとしての検査を実施しています。オープンハウス・アーキテクトでは、「10工程検査」を基本とし、施工管理、マネジャー、品質管理部による工程検査を実施しています。厳格なチェック項目をクリアした物件のみ、お引き渡しできる体制を整えています。

伊藤:「10工程検査」とは具体的には ①現場着工前調査 ②やり方チェック ③配筋検査 ④基礎完了 ⑤上棟検査 ⑥躯体検査 ⑦断熱防水外装検査 ⑧木完検査 ⑨竣工検査 ⑩引渡し前検査 に関する検査になります。例えば「配筋検査」では、配筋・鉄筋のピッチが合っているかどうかを確認し、アンカーボルトの先付けを行うことで大幅是正が必要な現場ゼロを実現するなど、独自の検査項目を設けています。

大類:人間は誰しもミスをするものですが、建築においては小さなミスでも重大な欠陥につながってしまいます。それらを一つ一つ取り除き、食い止めていく。水際でミスを防ぐ重要な役割として、日々の検査業務に向き合っています。

伊藤:発足して半年、顧客満足度向上につながる成果も出ており、全国の施工監督メンバーやパートナーさんからも問い合わせや相談をもらうなど、ポジティブな変化が増えていると感じています。

顕在的なミスを防ぐ「守り」の姿勢だけでなく、潜在的なミスを未然に防ぐ「攻め」の姿勢を大切に

──日々の検査において、特に意識されていることを教えてください。

大類:検査にはマニュアルが存在します。マニュアル通りにチェックを行うことはもちろん、それ以上に「想像力」がとても重要だと感じています。

伊藤:大類課長の言う「想像力」について、もっと詳しく聞いてみたいです。

大類:そうですね、例えば、営業や設計担当にお客様の属性や情報を事前に聞いておいて、図面を見ながらお客様のこだわりポイントや実現したい家のイメージを解像度高く想像することを意識しています。

伊藤:大類さんのその話、初めて聞きました!

大類:あれ、そうでしたっけ(笑)。平面図を頭の中で立体にして、家の中を壁に手を触れながら歩くところを想像します。そうすると、例えば電気の配線やスイッチは図面通り右側に設置されているけど、本当は左側にあった方が動線としてはいいのでは、といったことがわかるんです。それを営業担当経由でお客様に伝えてもらい、結果的に喜ばれるといったケースも何度かあります。

伊藤:まさに目に見えない指摘ポイントが見えてくる好事例ですね。私も、お客様目線での検査と提案は常に意識するようにしています。例えば、幼児のお子様がいらっしゃるご家族の場合、子供部屋の押し入れのハンガーラックの位置を、お子様の手が届きやすい位置に変更するよう設計担当に提案するなど。

打ち合わせからお引渡しまで、お客様に喜んでいただくための意識。

──品質管理部の検査とは、ミスを防ぐだけじゃなく、お客様が気づかれていない課題を先回りして解決する役割も担っているのですね!

大類:おっしゃる通りですね。品質管理部では、水際でミスを防ぐ役割はもちろんですが、お客様・営業・設計・インテリアコーディネーター・大工さん・職人さんなど、建築のモノづくりに関わるすべての人がまだ気づいていない課題にいち早く気づいて、課題を解決するための提案を行う重要な役割も担っています。

伊藤:私たちの部署の存在意義は、お客様に心からご満足いただけるような品質を提供することですからね。顕在的なミスを防ぐ、いわば「守り」だけでなく、潜在的なミスを未然に防ぐ「攻め」の姿勢をとても大切にしています。

大類:想像をやめたら終わり。本気でそう思っています。

土地や建物の形状のバリエーションが非常に豊富だからこそ、品質の標準化難易度が高い

──さらなる品質向上を実現するために、パートナー強化の取り組みも実施されているそうですが、具体的にはどんな取り組みを行なっているのですか?

大類:月1回以上、パートナーの皆さんと「直接」対話する機会をつくっています。業種別やエリア別で実施するなど工夫しています。技術マニュアルの改訂をその背景とともに伝えたり、さらなる技術力向上につながる勉強会を行ったりと、内容は様々です。参加率も高まっており、品質向上のための前向きな質問が増えてきていると実感しています。

伊藤:パートナーの皆さんとの相互コミュニケーションをもっともっと増やしていきたい。そう考えています。建築のモノづくりは、すべて人によるものです。設計や施工監督メンバーはもちろん、パートナーの皆さん無くしては実現しませんから。

──オープンハウス・アーキテクトにおいて品質の課題をどのように乗り越えていくのか、お二人の考えをお聞かせください!

大類:オープンハウス・アーキテクトの建築の特徴は、都心部の狭小物件が中心です。加えてオーダーメイドで施工することが多いため、土地形状や建物バリエーションが非常に豊富。だからこそ、品質管理を全て標準化することは困難ですし、現場や状況に合わせたチェックが重要となります。施工監督メンバーや大工さんやパートナーの皆さんに求める難易度は、一般的なハウスメーカーと比べると高いと思います。

伊藤:だからこそ、私たち品質管理部の存在が重要だと考えています。第三者機関として、品質課題を吸い上げ、パートナーの皆さんの困りごとや技術的な課題に対して、本当に必要な打ち手を、無駄なく、スピード感を持って実施し続けたいですね。

大類:私たちなら必ず実現できると信じています。オープンハウス・アーキテクトの900名を超える従業員と5,500社を超えるパートナーの皆さんとで、これまで以上の品質強化体制を築き上げていきます。私たちの今後にご期待ください!

※インタビューの内容は取材時(2024年3月)のものです。