社内設計立ち上げメンバー×未経験の20代所長。“異例尽くし” で設計施工プロジェクトへ挑戦

オープンハウス・アーキテクトの総合建築・マンション(RC)部門では、社内で設計・施工を一環して受注する「設計施工」でのプロジェクトも請け負っています。ゼロから社内設計を立ち上げてきたメンバーと、マンション施工管理はほぼ未経験の20代所長という、異例尽くしでプロジェクトを完遂した二人にお話を聞きました。
Cast
出演者紹介
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土屋 拓実
2023年キャリア採用入社。前職では、民間施設や野球場・ホテルなどの幅広い建物の施工管理に携わる。転職活動では木造施工管理を希望していたものの、コンストラクト事業部へのスカウトを受ける。マンション建築は未経験ながら、2現場目で「20代所長」として竣工。
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山際 泰徳
2020年キャリア採用入社。ゼネコンで施工管理を8年経験したのち、一級建築士の資格を取得し設計職を志望し、オープンハウス・アーキテクトへ。コンストラクト事業部の設計立ち上げ期から携わり、積算・営業も経験。設計施工の中核を担う存在に。
「設計施工」のプロジェクト。密な連携で完工へ。
── 今回のプロジェクトでの、それぞれのご担当を教えてください。
土屋:現場所長として、建物の安全・品質・工程・原価の「4大管理」を担当し、15階建てマンションの施工管理を行いました。
山際:今回は、社内で設計・施工を一括して行う「設計施工」というプロジェクトで、私は意匠設計と、建物が図面通りにできているかのチェックを含めた設計監理を担当しました。
── 「設計施工」でのプロジェクトの流れやメリットについて教えてください。
山際:同じオープンハウスグループ内でのリピート受注として、今回で4現場目を担当しました。まずはお客様からのご相談を受け、条件をもとに基本設計(平面図・立面図・断面図)を作成し、了承後に詳細な設計図を作成する「実施設計」に移行します。建築確認申請を経て、現場の工事へと進む流れです。
土屋:設計施工一貫体制での最大の利点は、社内で密にコミュニケーションを取れることだと感じています。特に納まりに関しては、頻繁にやり取りをしていましたね。
山際:図面チェックなども社内で完結できるため、やり取りがスムーズで、融通も利きやすく、スケジュールの調整もしやすかったです。
土屋:外部の設計会社様には、関係性が浅いと細かい部分まで相談しにくいこともありましたが、社内の山際さんには気軽に話ができて、とても助かりました。
上質な建物づくりを叶える、技術とこだわり。
ー 今回、納まりで苦労された点や仕上げのこだわりはありますか?
山際:エントランスは、特にとても大変な作業だったと思います。
土屋:苦労したのは、塗装仕上げですね。ジョリパッドの中でも『ミーティア』といった吹付とコテでつくる、岩のような質感が特徴です。乾燥しきるまでの扱いが難しいうえに、黒色で補修が効かないため、まわりの養生をしっかりして臨みました。
山際:壁面のライン照明は【雨】をイメージし、浮世絵の雨の表現から発想を得ています。薄暗い風除室とエントランスホールを通るときに、少し向こうでほんのり明るい光の雨が降り注いでいるようなイメージです。左手のライン照明側の天井高は、右手の動線上の天井高より下げることで、ゾーニングを強調し視覚的な分離を演出しています。
土屋:軽量ボードで壁をふかして、中に間接照明を仕込んでいます。照明の取り外しができる機能性もありつつ、目立たせないフチを作り、見た目にもこだわりました。
プロジェクトを終えたいま、振り返ることは。
ー プロジェクトを終えて、お互いにいかがでしたか?
土屋:今回が山際係長と初めてご一緒させていただく現場で、私自身も入社4ヶ月目で初めての現場所長を任されたプロジェクトでした。本格的な図面チェックを進める中で、山際係長が都度フォローしながら確認してくださり、とても助かりました。お施主様とのやり取りにも間に入っていただき、スムーズに業務を進めることができました。
山際:土屋所長は今回が初めての所長業務で大変な部分もあったと思いますが、それを感じさせず、陰でしっかり努力されている印象でした。相談にも前向きに対応してくださり、「やってみます」「検討してみます」とすぐにパートナーさんと打ち合わせを重ね、現場を前に進めてくれました。その姿に刺激を受け、「自分も負けていられない」「頑張らなくては」と思えたことで、良い関係の中で監理業務ができたと思います。
山際:無事竣工できて良かったと思う反面、今後に向けた反省点についても、二人で話をしましたね。
土屋:改めて振り返ると、現場を進めていくことに重きを置きすぎて、細かな決めごとや人員配置の検討などで焦ってしまった点もありました。今後は所長としての視野をさらに広げていきたいです。
山際:私は現場の負担が少なく、効率よく施工ができるような設計や監理業務を心がけて、担当が山際で良かったと思ってもらえるように努めます。
攻めのチャレンジ。オープンハウス・アーキテクトならではの経験。
ー ところで、お二人のご入社前のお話をお伺いしてもよろしいでしょうか。
土屋:以前は大手ゼネコンの現場で、派遣社員として民間施設や野球場・ホテルなどの施工管理をしていました。転職活動の際は、木造の施工管理を希望していたのですが、コンストラクト事業部へお声がけいただき、入社することになりました。
実は、オープンハウス・アーキテクトへ入社するまでマンションの施工管理は未経験だったんです。そんな私が現場所長を任されることになるとは思っていませんでしたし、任せてくださった側も、かなりのチャレンジだったのではないかとは思います(笑)
山際:この規模の現場を、20代所長と1年目の派遣社員さんの2名体制で、17ヶ月間の工期でやりきったというのは、本当にすごいことだと思います。
山際:私は2020年に入社しました。前職ではゼネコンで8年間、施工管理を経験して、設計希望で一級建築士の資格を取得し、転職してきました。マンション事業の設計は立ち上げ期と聞いていましたが、いざ入ってみると本当に誰もいなくて、あの時は驚いたのを覚えています(笑)
入社後は、営業や積算など、まずはできることから始めて、少しずつ体制を整えてきました。今では、社内で設計から施工まで一括してご相談いただけるようになっています。大変な面も多いですが、そのぶん他ではなかなかできないような、幅広い経験ができるのはオープンハウス・アーキテクトの魅力だと感じています。
※インタビューの内容は取材時(2025年3月)のものです。