対談

2025.05.20

4社共同・低層4棟・124邸、大規模プロジェクトを動かす “人の力”

低層4棟・124邸、4社共同施主、会社として過去最大規模のプロジェクト。複雑で難易度の高い現場を支えたのは、オープンハウス・アーキテクトの「人」の力でした。人も、会社も、大きな挑戦とともに成長し、次のステージへと歩みを進めています。このチャレンジの最前線にいた二人に、当時のリアルを聞きました。

Cast

出演者紹介

  • コンストラクト事業部 工事部関東第二ブロック 東京第四施工G 第二課 課長

    丹波 喜一

    2019年キャリア採用入社。前職はゼネコンにてマンション施工管理に携わる。オープンハウス・アーキテクトでは会社として最大規模の現場を含め、全4現場を竣工。コンストラクト事業部の成長の一端を担う存在として活躍。

  • コンストラクト事業部 工事部関東第一ブロック 東京第一施工G 第五課 係長

    小畑 純輝

    2019年キャリア採用入社。前職では集合住宅の施工管理や造園サービスの新規事業などに携わる。若手〜中堅のスタッフも多くいるコンストラクト事業部のなかでも実績を残し、他の所長からの信頼も厚い。

毎日がパズル。最大280名のパートナーを迎えながら、現場を先導

── 今回のプロジェクトの特徴やこだわりを教えてください。

丹波:今回のプロジェクトは、4社の共同施主という珍しい形で進行しました。各社の意向や仕様が異なり、まずはそれぞれの考えを理解することからスタート。現場を動かしながら方向性をすり合わせていく中、意思決定まで時間を要する場面も多くありました。建物は最大86mの長さを持つ低層4棟構成で、現場管理の難易度は高いものでした。

小畑:多い日には280名のパートナーが現場に集まりました。毎日の作業終了後にはオープンハウス・アーキテクトのスタッフ全員で終礼を実施。配置図・平面図を使って、各所の作業内容や通行・搬入の動線などを共有し、トラブルや事故の予防に努めました。事前に危険な箇所を共有することで、安全意識の向上にもつながりました。

また、昼礼では職長とともに、作業エリアや搬入ルート、作業内容の確認を徹底。業者同士の連携も促しながら、規模の大きな現場を円滑に進行させるため、各業者の間に入り細かな調整を重ねて、現場運営にあたりました。

丹波:特に意識していたのは「安全管理」で、常に気を引き締めて取り組みました。「建設業労働災害防止協会」による安全パトロールが初めて実施され、その際には高評価をいただくことができました。

ダイナミックな現場が、ステップアップに繋がる

── 今回のプロジェクトを振り返って、ほかの現場との違いや感じたことはありますか?

小畑:とにかくスケールが大きくて、現場の進み方もダイナミックでしたね。過程を見ていても、やはり今までの現場とは違うなと思いました。

丹波:桁違いの予算が毎月動いている現場で、もうまったく別物でしたね。だからこそ、一人ひとりが自覚を持って、胸を張って現場に立ってほしい、という風に声かけもしました。

丹波:私が入社した2019年当時の稼働数は5 ~ 6現場でしたが、今では60現場。普通の会社では考えられないスピードでここまで来て、よくやってこれたなと思います。今回のような124邸の大規模な現場を経験でき、プレッシャーもありましたが、会社にとってもステップアップになったと思いますし、今後に向けてどんな体制が必要かも見えてきた気がします。

小畑:技術面でもすごく貴重な経験ができました。今回は各住戸外壁にALC(軽量気泡コンクリート)が使用されていたり、ボイドスラブ工法が採用されていました。特殊な工法に触れることができ、勉強になりました。

丹波:完成した建物は、外壁に立体感のあるボーダータイルがふんだんに使用されていて、形状も意匠的なこだわりがあるデザインとなっているため、見た目もすごく良い仕上がりになっていると思います。でもその裏では、本当に辛い思いやこれまでとは比べものにならない苦労がありました。

王手一歩手前の毎日。それでも一丸で、やり切った

ー プロジェクトのなかで、最も苦労されたことは?

小畑:この現場は、搬入調整が一番大変だったと思います。特に最後の期間は本当に辛くて…各工程のピークが重なり、ロングスパンエレベーターも解体し、外構も一気に着手する必要があり、搬入ルートが極端に制限された中で大量の仕上げ材を搬入しなければならない、かなり厳しい状況でした。

丹波:17カ月間という短工期でこの規模を進めるのは、かなり大変な状況でしたよね…。請負会社以外の業者にも応援の依頼を掛けて、なんとか間に合わせることができました。でも、小畑さんの危機察知力はすごかった。毎日が、パズルか詰将棋をやっているような…“王手一歩手前”みたいな緊迫感の中で進めていて、本当に過酷な現場でした。

小畑:工程表を書いて、実際の作業をどう当て込んでいくか、業者さんと調整するんですが、ほとんどの方に “できない” と言われてしまい…。それを “どうやったらできるか” に変えていく。工程・作業エリア・搬入ルートを踏まえてどう当て込むか、を常に頭フル回転で考える毎日でした。

丹波:本当に、小畑さんがいなかったら成り立たなかったです。同じ所長として信頼していたので、できるだろうって。私に確認してこなくてもいいことまで聞いてきてくれましたけど(笑)そんな楽しい一面もありつつ、正直、毎日が極限状態でしたね。

入社3年目未満の若手メンバーがほとんどだったけど、一人ひとりが本当に頑張って、最後までついてきてくれて、ありがたかったです。仕事を覚えたいと言って、前向きに取り組んでくれて。誰一人欠けても完成できなかった現場だし、一丸となってやりきったという実感があります。

丹波:事業部長が現場に来られたときに、“若い子たちの目が死んでない”って言ってくれたんですよ。それって、すごく嬉しくて。ちゃんと向き合ってきたからこそ、そんな風に言ってもらえたんだなと思っています。

小畑:丹波さんの現場って、雰囲気が良いんです。過酷な状況で和気あいあいとした現場って、なかなか無いです。ご自身のキャラクターもあると思いますけど、そうやって現場の空気をつくってくださったことで、下の子たちも頑張れたし、刺激をもらい私たちも何とかギリギリで踏ん張ることができたと思います。

オープンハウス・アーキテクトは、自分を成長させたい人にはすごくいい環境

ー これからオープンハウス・アーキテクトで建築にチャレンジしようと思っている方へ、お伝えできることはありますか。

丹波:何でもいいから、“これだけは譲れない”っていうこだわりをひとつ持ってほしいんです。例えば、“コンクリートは俺に任せろ” とか、“納まりは絶対的に妥協しない”とか。そういう視点を持つと、仕事が楽しくなってくるし、長く続けられると思うんですよね。

そして、それを見つけるきっかけを作るのが、上司の役割だと思ってるんです。失敗はうちらがカバーするから、のびのびと、どんどん吸収していってほしいですね。

小畑:正直、困難なことは多いです。だけどオープンハウス・アーキテクトって、自分を成長させたい人にはすごくいい環境だと思います。というのも、自分で処理しないといけないことが多いし、その課題を解決していく過程で“考える力”がついていくんですよね。

成長したいという気持ちがあれば、仕事を巻き取って、自分の力にしていける。目的をもって、それをどう実現するか。そこを自分の頭で考えて、やり遂げることができたら、成長スピードは本当に速いと思います。

※インタビューの内容は取材時(2025年4月)のものです。