子育ても、設計の仕事も。育休復帰後に見えた、私らしい働き方
子育てと仕事の両立が、少しずつ「特別なことではない選択肢」になりつつある今。
そんな社会の変化の中で、4歳と2歳のお子さんを育てながら、設計の仕事に向き合う八嶋さん。
育休を経て現場に復帰し、限られた時間だからこそ見えてきた働き方やお子さんとの時間がもたらした変化について語ってもらいました。
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出演者紹介
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八嶋 里香
2018年キャリア採用入社。4歳と2歳のお子さんを育てながら、育休復帰後も設計担当として活躍するママ社員。子どもとの日々の中で得た気付きを、暮らしやすさを考えた住まいづくりに活かしている。
3年半の育休を経て。「戻る場所がある」と感じられたのはとても心強かった。
── 育休からの復帰について教えてください。
八嶋:私は今年の4月中旬に育休から復帰しました。育休期間は約3年半で、4歳と2歳の子どもがいます。一人目の出産後、保育園に入れず待機児童になってしまい、その間に二人目を授かり、連続で育休を取得することになりました。
また、一人目を妊娠していた時期はちょうどコロナ禍と重なっていて、体調面だけでなく、感染への不安も大きかったことを覚えています。妊娠初期には不正出血があり、1ヶ月ほど休職した時期もありました。
そんな中、同じ事業部のメンバーが「もう一人の身体じゃないんだよ」と声をかけてくださったことが、今でも印象に残っています。コロナ禍では、妊婦や基礎疾患のある社員がテレワークを選択できるようになり、会社としても少しずつ環境が整っていきました。
名古屋事務所では、私が初めての育休取得だったこともあり、復帰前は正直不安もありました。ですが、人事の方が親身に相談へ乗ってくださり、同僚から温かい連絡をもらうなかで「戻る場所がある」と感じられたことはとても心強かったです。

ブランクを乗り越えながら。限られた時間内で、効率よく業務に励む。
ー 現在の働き方や業務内容について教えてください。
八嶋:今は名古屋市外から通勤しています。朝は5時半に起きて準備をし、7時半に保育園へ子どもたちを預け、8時半頃に会社へ到着。16時には退社して、また保育園へ迎えに行くという毎日です。保育園は早朝保育を利用しています。
業務内容は、建売住宅の設計です。プラン作成、図面チェック、スケジュール管理、販売用資料の作成などを担当しています。休みに入る前と同じ業務に戻ることができ、現在は月に15棟ほどのプランを手がけています。
復帰当初は、3年半のブランクもあり、パソコン操作やマニュアルの変更に戸惑いました。復帰してすぐにプラン作成を担当することになり、最初は時間がかかりましたが、同じチームで働く仲間が忙しい中でも丁寧に教えてくれたおかげで、徐々に感覚を取り戻すことができました。
時間に制約がある今は、「その日にやるべきこと」を明確にし、優先順位をつけて仕事をすることを意識しています。育休前からも残業がなるべく発生しないようにスケジュールを組んでいましたが、より集中して業務に向き合うようになりました。

子育ての経験が、戸建て設計の強みに。
ー 育休中や子育ての経験が、仕事に活きていると感じることはありますか?
八嶋:育休中に自宅を建てた経験は、今の設計業務にとても活きています。実際にその家で子育てをしてみて、お風呂とトイレの位置関係や、リビング収納の大切さ、階段の形状など、暮らしやすさに直結するポイントがたくさんあると感じました。
さらに「自分が実際に家を購入して住み続けるなら」といった視点で、メンテナンスやコスト面もリアルにイメージできるようになったと思います。自分自身が顧客層に近い立場だからこそ、生活動線や日々の使いやすさ、将来性までを意識したプラン作成を、より心がけるようになりました。

ー 仕事と子育てを両立する中で、感じていることを教えてください。
八嶋:子育てをしていると、自分の時間が減り、気持ちが不安定になることもあります。保育園に小さな子どもたちを預けることに対してはいろんな考えがあって、家族とも意見が分かれることもありました。
でも、実際に通わせてみると、子どもたちは保育園でたくさんのことを学び、できることがどんどん増えていきます。習ったダンスを踊っていたり、友達ができていたり。そうした成長や本人たちの幸せそうな表情を見るたびに、「この選択でよかったんだ」と思えるようになりました。
時にはイライラしたり怒ってしまう時もありますが、そんな私にもすごく純粋な言葉をかけてくれます。寝かしつけで子どもと1日を振り返る時には、ふっと心が軽くなって、「この子たちのためにも、頑張ろう」と自然に思えるようになった気がします。

これからの夢へ。子どもたちのためにも、自分を大事に。
ー 今後の目標や、これから出産を迎える方、育児と仕事の両立を考えている方に向けて、メッセージをお願いします。
八嶋:将来的には、注文住宅の設計にも携わりたいという想いがあります。ただ、子どもたちが小さい今は、時間の制約がある現在の業務が自分に合っているとも感じています。子どもたちが成長し、生活も落ち着いてきたタイミングで、新しい挑戦をしていきたいです。
今こうして仕事と子育てを両立できているのは、周りの皆さんのおかげです。日々の業務がある中でも支え、子育てを応援してくれるチームや上長、CADオペレーターさんをはじめとする名古屋事業部のメンバーの力になれるよう、設計力を高めたいです。もし今後同じようにママ社員になる方がいたら、何か力になれると嬉しいですね。
会社の制度として時短勤務の対象が小学校入学前まで延長されたことは、子育て中の身として本当にありがたいです。仕事と家庭、両方を大切にできる選択肢が持てることは、大きな支えになります。社会全体が少しずつ変わってきている今、その流れの中で働けていることにも前向きな気持ちを持っています。
子育てと仕事の両立は、決して楽なことばかりではありません。同時に「自分を大事に」と思えることも大切だと感じています。何も諦める必要は無い。自分が笑顔で楽しくいることが、結果的に子どもや周囲の幸せにつながる。そんな気持ちで頑張っていけたら良いのかなと思っています。

※インタビューの内容は取材時(2025年12月)のものです。