インタビュー

2025.09.16

建築業界の常識を覆す。20代女性所長が語る、成長と覚悟の軌跡

「年功序列」「所長になるには時間がかかる」ー そんな建築業界の常識を、異業界から飛び込んできた20代の女性が打ち破りました。日々苦悩を抱えながらも、挑戦と成長を重ね、信頼を勝ち取った飯島さんのストーリーをご紹介します。

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出演者紹介

  • コンストラクト事業部 関東第二ブロック 東京第五施工G 第五課 係長

    飯島 可菜美

    2021年キャリア採用入社。前職では中途採用エージェントを経験。学生時代に建築を学んでいたことから、総合建築分野を志し、建築の道へ。3現場目にして所長へ就任し、デザイン性の高いマンション現場の引き渡しを成功させた。

建築業界、そして施工管理の道を選んだ理由とは。

── 前職は人材紹介と伺いました。なぜ建築業界、特に施工管理に進もうと思ったのですか?

飯島:前職では人材紹介という、いわゆる“無形商材”を扱っていました。もちろん、人のキャリアに関わる大切な仕事なのですが、どうしても自分の目で成果を“見る”ことができない点に、やりがいの面で物足りなさを感じていました。

そんな中で将来を考えた時に、学生時代に少しだけ建築を学んでいたことや、友人の多くが建築業界で活躍している姿を思い出したんです。図面が形になり、完成した建物が街に立ち続ける ― その成果の “手触り感” に強く惹かれました。

ただ、施工管理職を目指す中で、建築業界は中途採用だとなかなか職に就くことが厳しいイメージもありました。その中で今のオープンハウス・アーキテクトと出会い、若手のやる気を評価してくれ、さらに実力評価主義という話を聞いて「ここだ」と思ったんです。

実際、入社してすぐに感じたのは、想像以上にベンチャー気質でスピード感のある組織だということ。普通なら5年はかかるであろう主任職を、わずか2現場目で任されたのには驚きました。責任の重さに戸惑う気持ちもありましたが、自分の力を試せる環境を得られたことが大きなモチベーションになりました。

所長抜擢、初めて背負った責任と挑戦。

ー 驚きのスピード感ですね。プレッシャーもあったかと思うのですが、今回初めて所長を任された時はどのような心境でしたか?

飯島:正直、「無理だ」と思いましたね。これまで1現場目では現場作業を任され、2現場目でようやく工程や図面に触れ始めた段階。次は副所長を目指せれば十分だと思っていた矢先に所長の打診が来て、プレッシャーは計り知れませんでした。

所長は現場全体の責任者。原価管理から設計事務所との交渉、外部との調整まで、全ての最終判断を自分が下さなければならない。失敗すれば責任も自分が負う。その重さを痛感しました。

特に今回の現場は設計面でのこだわりが強く、検査も非常に厳格。納まりの細かい部分まで監理者とやり取りし、指摘事項が出ればパートナーと協力して改善策を検討しました。1つ1つの工程を乗り越えるたびに、少しずつですが自信が積み上がっていきました。

また、この現場からは後輩を指導する立場にもなりました。今までは自分が教わる側だったので、どう教えれば相手が理解しやすいのか試行錯誤の連続。幸いにも後輩は建築のバックグラウンドがあり、吸収も早く助けられましたが、人を育てることの難しさとやりがいを強く感じました。

そんな中、周りのサポートにも本当に助けられました。上司が相談に乗ってくれて、近隣現場の所長も図面や納まりのコツを惜しみなく教えてくださった。一つずつ壁を乗り越えていくプロセスを通じて、少しずつ所長としての自分の形ができていったのだと思います。

信頼を得た瞬間と、これからの挑戦。

ー 初めての現場を終え、どのような手応えを得ましたか?

飯島:最初は若い所長ということで、外部の方からも「大丈夫か?」という目で見られていたと思います。定例会議では厳しい指摘を受けることも多く、悔しい思いもしました。

でも、現場が進むにつれ、徐々に関係が変わっていきました。設計事務所の方から「次の現場も一緒にやれたらいいね」と言ってもらえたり、職人さんから「この現場は楽しかった」と言われた時は、肩の荷が下りるような感覚でした。施主様から「出来がいい」と評価いただいた時には、これまでの苦労がすべて報われた気がしました。

ー 飯島さんの今後の目標を教えてください。

飯島:今は次の現場が始まり、規模も大きく、賃貸から分譲へと変わり、求められるレベルも一段と上がっています。まずは無事故で高品質な建物を完成させることが最優先。そしてもう一つ、若手の育成にも力を入れたいと考えています。

同じ年代の子たちも、どの上司に教わるか、誰と一緒に働くかによって成長スピードは大きく変わります。だからこそ、自分の現場で働く若手には、次の現場で主任を任されるくらいに育ってほしい。そのためにきちんと教えて、考え方も伝えていくつもりです。

この会社は実力主義で、やる気次第でいくらでも成長できる環境です。だからこそ、ガツガツと前向きに挑戦できる人に来てもらいたい。私自身も、次の現場でさらに成長し、後輩たちにその背中を見せられるよう、挑戦を続けていきます。

※インタビューの内容は取材時(2025年8月)のものです。